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【Slay the Spire】デイリークライムで使われる特殊効果の解説

 Slay the Spire Advent Calendar 2021の最終日の記事。あまり特別な記事ではなくて申し訳ない…。

 同一シード並走会も始めてから間もなく1年となる。他の人の結果を比較できるところが非常におもしろいわけだが、実はこの並走会、ゲーム側ですでに実装されているのだ。しかも毎日行われている。何のことやら?と思うかもしれないが、要するにデイリークライムのことである。アセンションはなく、ネオーのボーナスの代わりに3つの特殊効果が付与された状態でスタートする。シードは固定で、ルートや敵の順番、ボスレリックは完全に同じ。ランキング機能もついており、他の人と競争する楽しみもある(もう一度やり直してもスコアの上書きは不可)。

 デイリークライムの目玉となる特殊効果、かなりの曲者揃いである。それらの特殊効果がシナジーした時、以下のようなメチャクチャなゲームが展開される。

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 普段は作れないようなシナジーで敵を蹂躙する気持ちよさ、アセンションとは違うベクトルで行われるプレイの最適化、それらに魅力を感じずともぜひとも一度はプレイしていただきたい(クリアしないと実績埋まらないぞ!)。今回はデイリークライムで使用される特殊効果について解説していく。

開始地点で影響を及ぼす特殊効果

ドラフト

カードをドラフトして初期デッキを作る。

  • 3枚の中から1枚のカードを選ぶ作業を15回繰り返す。
  • レアカードは選択肢に出現しない。
  • 特殊効果「収集癖」「多様性」「〇〇カード」の影響を受ける。
  • 特殊効果「二者択一」の影響を受けない。
  • パンドラの箱」が出現しなくなる。

 スターターカードがデッキに入らないので、最初からエリートやボスをノーダメージで突破しやすい。その後のデッキの強化具合によってはボーナス「超越」(ボス3体以上をノーダメージで倒す)「パウパー」(レアカードがデッキに含まれない)の両取りも狙えるかもしれない。ウォッチャーの場合、噴火・警戒が利用できなくなる点に注意。

 初期デッキ以外のカードを15枚入れられる性質から、他のクラスのカードが混じっていなければボーナス「収集家」(スターター以外の同名カードを4枚集める)を狙いやすい。

 すでにピックしたカードのみがドラフトで提示されるケースもあるので、ボーナス「ハイランダー」(スターター以外の同名カードを2枚以上入れない)は狙いづらいかもしれない。適当なショップやイベントで消せばいいだけの話だが。

シールドデッキ

30枚のランダムなカードから10枚を選びデッキを作成する。

  • レアカードは選択肢に出現しない。
  • 特殊効果「収集癖」「多様性」「〇〇カード」の影響を受ける。
  • パンドラの箱」が出現しなくなる。

 最初から強いデッキを作れるのは「ドラフト」と同様だが、30択もあるので、狙ったデッキを作りやすい。ボーナス「収集家」を狙うのにも適している。10枚デッキでスタートすることもあり、カードが揃っていれば無限ループにも移行しやすい。

狂気の沙汰

ランダムな50枚のデッキでスタートする。

  • レアカードがデッキに含まれることはない。
  • 特殊効果「多様性」「〇〇カード」の影響を受ける。
  • 特殊効果「収集癖」の影響を受けない。
  • パンドラの箱」が出現しなくなる。

 初期デッキが強くなるのは「ドラフト」「シールドデッキ」と同様だが、こちらはデッキの中身を指定できず、完全に運任せ。

 デッキが50枚もあるので、自動的にボーナス「歩く百科事典」(デッキ枚数50枚以上)を満たせる。さらに状態異常を混ぜてくる敵に強くなる。呪いをデッキに追加しても戦力低下しづらい。マインドブラストを拾えれば大きな戦力になってくれる。

 反対にデッキ内のシナジーが作りづらく、スケーリングを必要とする敵は苦手気味になる。さらにデッキの中身が偏って手札事故を起こすこともある。一度捨て札に行ったカードの再利用は難しい。レアカードを拾っても膨大なデッキ枚数のせいでうまく引けずに死ぬこともある。逆にボーナス「パウパー」を満たす良いきっかけかもしれない。

 当然ボーナス「収集家」も満たしやすくなるが、他のクラスのカードが混じった場合はボーナス「ハイランダー」に移行しづらく、スコアが伸び悩みがち。

キメラ

あなたの初期デッキは、全てのキャラクターの初期デッキを融合させたものになる。

  • 具体的には「ストライク」「防御」3枚ずつと、「強打」「サバイバー」「ザップ」「噴火」という内容になる。
  • 特殊効果「収集癖」の影響を受けない。

 ストライク防御の枚数が減るのはデッキが少し強い状態でスタートできるという長所もあるが、パンドラの箱の恩恵が少なくなるという一面もある。サイレントに関してはデッキ枚数自体が2枚減るため、他のクラスより恩恵が大きい。

 強打は若干コストが重いが、最序盤の軽いスケーリングとして一応機能はしてくれる。サバイバーはこの段階なら防御の上位互換として使っていける。

 ザップはディフェクトかせめて「ブルーカード」でもなければ活かしづらく、ストライクと対して変わらないパフォーマンスしかしないことも多い。ボスグレムリンにも弱く、パンドラの箱の対象にもならないため、必要ないと思ったらストライクより先に消すのが良い。

 噴火はダメージが2倍になるという非常に強いカードだが、そのままでは憤怒のスタンスを解除できず、考えなしに使うと2倍のダメージを受ける羽目になる。しかし適切なタイミングで使えば心強いダメージソースになるので、アップグレードしたり、強いアタックを入れることを意識したい。

ピカピカ

初期デッキのカードをすべてレアカードと置き換える。

  • すべてのレアカードが1枚ずつ初期デッキに加わる。
  • 特殊効果「収集癖」の影響を受けない。
  • 特殊効果「多様性」・「〇〇カード」の影響を受ける。
  • パンドラの箱」が出現しなくなる。

 さすがにレアともなればカードパワーも高く、普段より難易度は下がるだろう。全知+願い事やコアサージ+認知偏向など、普段は決めることが難しいコンボもこの特殊効果があるだけであっさり実現できる。

 しかし、ボスやエリート(とくに序盤)をノーダメージで突破しようとすると意外と苦労する。というのもレアカードにブロックカードが少ない上に、全体的にコストが高いのでエナジー管理に苦労するためである。アタックも一癖あるものが多いものの攻撃性能は十分であることが多いため、いつもと違ってアタックよりブロックやエナジー供給カードを優先して取ると良い。

 他のクラスのカードも出現する特殊効果がある場合、そのクラスのカードもデッキに加わることとなる。残像+ジャガーノートといった普段はありえないコンボが出てくるのは非常に魅力的だが、「狂気の沙汰」同様デッキが膨らむデメリットには注意。

 レッドカードは捕食で最大HPを30増やしてスコアボーナスを狙うことが目標となる。そのクラス特有のギミックが少なく、他のクラスと組み合わせても機能しやすい。悪魔化でボーナス「オーバーキル」(99ダメージ以上与える)を狙ったり、堕落やバリケードで被弾を防ぐプランも取れる。削除候補はジャガーノートや残虐(天賦が邪魔な場合)あたり。

 グリーンカードはなんといっても死霊化の存在が大きい。残像をあらかじめ発動していれば大抵の攻撃は防げるはず。うまく悪夢で複製できればさらにノーダメージ撃破できる可能性が高まる。コストが莫大になる弱点もバレットタイムを引けていれば補える。削除候補は猛毒の仕込み・メッタ切り、他のクラスが混じっていたり、ソリティアする予定がなければグランドフィナーレ、アタックが充実すればアンロード・鋼の嵐。錬金術ポーションを作っておくのも忘れずに。

 ブルーカードは他のクラスが混じっていなければフロストやブロックを投入するだけで形になる。そうでない場合、オーブ関連の効果が使いづらくなり、少し取り回しに苦労するかもしれない。防御手段がレインボーとバッファーくらいなのも痛い。しかし検索や反響化といった汎用性と強さを兼ね備えたカードも存在する。共通の削除候補はサンダーストライク。エナジーが確保できそうになければメテオストライクも候補だが、ディフェクト以外で使用すれば即座に4エナジーが帰ってくる。

 パープルカードは全知+願い事でゴールドを稼ぎつつ得られた教訓でデッキの強化をする立ち回りが基本となる。走り書きや飛び越えといった圧倒的に強いカードを所持する一方で、アルファや掌握した現実といった扱いに困るカードも多数あるのが曲者。天賦が付与されるアルファ・制定は強いシナジーが見込めない限りは削除したほうが事故りづらい。他にも序盤を越えた時の審判やエナジーを稼がない時の剣の召喚、そもそもの扱いが難しい掌握した現実等も削除候補に挙がる。

 無色カードは他のクラス以上に癖が強い。神格化で全UGしつつ強欲の手でお金稼ぎをしよう。削除候補はエナジーを割きづらい変異、余程アタックやブロックに困っていない場合は羽化・サナギ、アンチシナジーと感じた場合は騒乱あたり。

 多様性ボーナスと組み合わさると全クラスのレアカードが入った状態でスタートするというカオスなことになる。上記の立ち回りをすべて行うことが求められる。それさえできればあとは自分のお気に入りのシナジーで暴れると良い。また、堕落を発動した状態で悪夢を使用して発掘・願い事を複製すれば無限にゴールドを稼げるので、うまく決まればスコアを伸ばせる。敵の攻撃が鬱陶しいならプレートアーマーを展開すれば良い。

特化

同じレアカード5枚を所持してスタートする。

  • この表記は誤訳。正しくは「1種類のカード5枚を所持してスタートする」。
  • 特殊効果「収集癖」の影響を受ける。
  • 特殊効果「多様性」「〇〇カード」の影響を受ける。

 出現したカードによって難易度が大きく変わる。強いアタックならイージーゲームだが、策士や集計といったその地点では仕事しないカードを押し付けられた場合は勝利に専念したとしても大変な道のりとなる。いずれにせよ、もらったカードでシナジーを作ることを意識したい。さすがにクソザコカードを収集癖でコピーされたら無理ゲーかな…。

オールスター

無色のカード5枚を所持してスタートする。

  • アンコモンもレアも出現する。
  • 特殊効果「収集癖」の影響を受ける。

 無色カードは癖の強いものが多く、そういったカードも容赦なく押し付けられるが、強欲な手や神格化はもちろん、劇的な入場・スイフトストライク・剣の一閃あたりを貰えれば確実にデッキは強くなる。剣の一閃や技巧あたりが入っていた場合は無限ループを狙ってみるのもおもしろい。

先祖伝来の家宝

ランダムなレアレリック1つを所持してスタートする。

  • アンロックしてないレリックも出現する。
  • スターターレリックを失うことはない。

 通常プレイのネオーのボーナスと違ってデメリットがないので、純粋な戦力補強となる。貰ったレリックに応じて立ち回りを決めよう。ちなみにスコアアタックにおいて貰って一番嬉しくないのはトカゲのしっぽだと思う。

呪われし道程

ボスを倒すたび、呪われる。スターターレリックが呪いの鍵、ダークストーンの護符、ドゥーヴー人形に置き換わる。

  • Act 3のボスを倒した後にも呪いが追加される。

 宝箱を空けなかったとしても、ボス戦で強制的に呪いが追加させるので、最初からお守りを持っていない限り呪いを回避して進むのは無理。ただし、通常プレイと違って呪い関連レリックを最初から持っているので、呪いがそのままデッキの補強となる。筋力と相性の良いカードを忍ばせておこう。

 スコアアタックにおいてボーナス「呪われた!」(呪いを5枚以上所持する)や「ぎゅうぎゅう詰め」(最大HPを30以上増やす)は非常に重要なので、呪いを取らない選択肢はない。デッキに加わる呪いはランダムなので、ボーナス「ハイランダー」はあまり狙わないほうが良い。

 後悔や痛みによるHPを失う効果はノーダメージボーナスを阻害しないので安心してデッキに加えよう。ただし腐敗はブロックしていないとダメージを受けることになるので注意。ただし「収集癖」がある時に苦悩が加わると死ねる。

カード報酬および戦闘に影響する特殊効果

収集癖

カードをデッキに加えるたび、その複製を2枚追加する。あなたは商人のカード削除サービスを利用できなくなる。

  • 「スマイルマスク」が出現しなくなる。

 同名カードが3枚加わるので、ボーナス「ハイランダー」は絶望的だが、その代わり2回ピックすればボーナス「収集癖」を満たせる。呪いも2回取るだけでスコアボーナスを得られる条件を満たせるため、普段では考えられないスコアを叩き出せる。

 この特殊効果がある時、ショップにマインドブラストがあるかどうか忘れずにチェックしよう。それさえ拾えればあとはカードを適当に加えるだけで勝ててしまう。他にはパーフェクトストライクや集計も強い。

 ショップの削除を封じられるので圧縮戦法もほぼ取れない。また、天賦カードをデッキに加えた場合、初期手札の枠を3つ消費することになるので、それが原因で1ターン目に被弾することのないように気をつけよう。天賦は1ターン目に限れば本来の上限を越えて手札に加えられるので、それを利用して1ターン目で倒し切るのも手。

ヴィンテージ

通常の敵がカードの代わりにレリックをドロップするようになる。

  • 「祈りのルーレット」は出現する。
  • 「質問カード」を持っていても通常の敵はカードをドロップしない。

 通常敵からカードを得てデッキを強くするというこのゲームの基本的な行動が封じられる。しかし、レリックを得られるのは非常に強力なので、スコアアタックをするならば、しっかりショップで最低限のカード補強をした上でエリートに挑戦したい。

 カード獲得機会が限られるので、ボーナス「収集家」は狙いづらく、ほとんどの場合ボーナス「ハイランダー」を狙うことになるだろう。スコアアタックをする場合、ボーナス「ピカピカ大好き」(レリックは25個以上集める)を取れれば十分なので不要なレリックを買う必要はない。

制御された混沌

凍った目を所持してスタートする。ターン開始時、10枚のランダムなカードを山札の底に置く。

  • カードが加わるのはターン開始時。
  • レアリティに関係なくすべてのカードが等しい確率で出現する。
  • 回復・リソース生成・致命時効果つきのカードは生成されない。

 堕落+闇の抱擁といった特殊な組み合わせでもない限り、デッキをリシャッフルすることは難しく、実質デッキのカードは1回しか使えないと思ったほうが良い。ヘッドバットあたりでもない限り、倒せないタイミングで捕食が来てしまったらそれでおしまいである。

 さらに生成されるカードはランダムなので、一切ブロックを寄越さないといったことも考えられ、場合によっては被弾せざるを得ない事態になることもある。ランダム生成されたカードにたどり着くまでに決着をつけられたほうが安定しやすい。

 その代わり、開始時から与えられる凍った目が非常に強力。クリア時間に関わるボーナスを失わない程度によく考えてノーダメージクリアできる方法を模索しよう。

多様性

カードはキャラクターの制限を受けない。

  • 無色カードも報酬に出現する。
  • 特殊効果「ピカピカ」に影響を及ぼすが、無色レアカードはデッキに加わらない。
  • ディフェクト以外のキャラクターにはオーブスロットが1つ与えられる。
  • 「プリズムの破片」が出現しなくなる。

 他の無色以外のクラスのカードが加わる特殊効果にも言えることだが、カードプールが大幅に広がるのでボーナス「収集家」を狙いづらくなる。スコアアタックにおいては、幻姿を取らざるを得ない展開にならない限りはボーナス「ハイランダー」を狙うと良い。

 すべてのクラスのカードが出現するので、かなりシナジーが組みづらい。道中はともかく、ボスに対して打点がまったく出せないという事態もザラ。持てる知識を駆使して、無理にでもシナジーを見つけ出したい。その先に普段ではありえないようなコンボを叩き出せる。

レッドカード

レッドカードが報酬とショップに出現する。

 レアカードに関しては「ピカピカ」の項目を参照。

 レッドカードは他のキャラに比べて汎用性が高く、どのクラスとの組み合わせでも役に立たない場面は比較的少ない。筋力はどのキャラでも腐りづらく、バリケードはどのキャラでも鉄壁状態を作れる。中でもサイレントとの相性は非常に良い。

グリーンカード

グリーンカードが報酬とショップに出現する。

  • キャラクターがサイレントの場合は選ばれない。

 比較的ドローソースが充実しているクラス。コモンにアクロバットやバックフリップがあるのはかなりありがたい。ただしカードの数値は控えめで、毒はいつもより組みづらくなっているので、元々のクラスのカードで補いたい。

ブルーカード

ブルーカードが報酬とショップに出現する。

  • キャラクターがディフェクトの場合は選ばれない。
  • ディフェクト以外のキャラクターにはオーブスロットが1つ与えられる。

 スロットが1つしかないとしても、オーブ効果は思ったよりも役立つのでアクセント程度に取っても良い。しかし、オーブ関連カードの出現率が低く、初期オーブスロットも1つしかないので特化はやめたほうが良い。逆に再構成やハイパービームが出た場合はかなりのアドバンテージ。思いっきり使い倒してやろう。また、エナジー生成カードが多いのも特徴。加速!はデメリットこそあるもののコモンなので出現しやすく、とっさに2エナジー得られるのでどのクラスでも使いやすいだろう。

パープルカード

パープルカードが報酬とショップに出現する。

  • キャラクターがウォッチャーの場合は選ばれない。

 憤怒のスタンスによるダメージ増加は他のクラスからしても魅力的。中でもコモンで出現しやすく、保留効果もついている昂揚は狙い目。スタンスの切り替えを狙うより、リスクの少ない冒涜のような感覚で使っていくと良い。

無色カード

無色カードが報酬とショップに出現する。

  • この特殊効果がなくても無色カードはショップに出現するという意味では誤訳。
  • ただし、上段(キャラ固有のカードが売られている場所)に無色カードが紛れ込む場合もある。

 無色カードはアンコモン以上しかなく、種類も少なめなので思ったより特殊効果を実感しづらかったりする。よって無理にボーナス「ハイランダー」を狙わない方が良いケースもある。剣の一閃といった無限ループに適したパーツを保有するのも特徴的で、無限ループのにおいを感じたら逃さないようにしたい。スコアアタックにおいてそれが一番スコアを稼げるとは限らないが。

時間の遅れ

敵全体にスローのデバフを付与する。

  • スローは、対象の敵に対してアタックを使用した時、プレイ枚数×10%だけダメージが増加するデバフ(小数点切り捨て)。
  • 分裂や呼び出し行動などで新たに出現した敵にも付与される。
  • ジャイアントヘッドに対して二重に付与されることはない。

 敵にスローがかかっていることでこちらにかかるデメリットはとくになく、こちらの火力を補強してくれる。手数を稼げるデッキならばそれを実感できるだろう。スローの計算は面倒だが、本当は倒せているのに見逃してしまうことのないようにしたい。

 スローはデバフなので、アーティファクトには防がれてしまう。そういった相手にもデバフを付与しやすくなるという意味では有能だが。

飛翔

次の部屋を選択するとき、あなたは道を無視して飛ぶことが出来る。

  • 「空飛ぶ靴」が出現しなくなる。

 ルートの制約が無くなる、このゲームの根幹を揺るがす特殊効果。HPが少なくなれば休憩や?マスに逃げれば良いので、クリアするだけなら非常に簡単だろう。

 スコア狙いの場合はエリートを踏めばいいだけのように思えるが、ボーナス「ミステリーサークル」(?マスを15回以上通る)を満たしつつ、通常敵との戦闘回数を最大化することも求められる。ショップに行くかどうかはレリックの個数と相談して決めると良い。

デメリット付きの特殊効果

命がけのイベント

?の部屋でエリートが出現する可能性があるが、財宝部屋の出現率が上がる。

  • エリートの基礎出現率は20%。
  • 財宝部屋の基礎出現率が4%になる。
  • モンスター・ショップの出現率は変更なし。
  • 「数珠ブレスレット」が出現しなくなる。

 エリートの出現がデメリットのように書かれているが、スコアアタックする場合においてはスコアを増やすチャンスでしかない。ただし腐ってもエリートなので、道中で被弾しすぎて戦闘を回避しようとして?マスを踏むと止めを刺される可能性がある。財宝部屋は目当てとするにはまだまだ確率が低い。

 目に見えるエリートが1体しかいなくても、?マスが多ければ、エリートが2体いても?マスが少ないルートよりもスコアを稼げる可能性がある。体感としては?マスに大体3回行けば1回くらいは出現する。ボーナス「ミステリーサークル」を取れるかどうかも意識したい。

二者択一

カード報酬が2枚に減る。

  • 「壊れた王冠」を所持しているとカード報酬が0枚になる。

 壊れた王冠が弱いと言われているように、この特殊効果もデッキ構築において確実に悪影響を及ぼす。他のクラスのカードも出現する場合はただでさえ作りづらいシナジーがさらに作りづらくなり、普通にクリアするのも一苦労。上記の通り、余程デッキが完成していない限り、壊れた王冠を取ってはならない。

大物狙い

エリート達が塔で群れを成し、より良いものをドロップするようになる。

  • 具体的には必ずレアカードをドロップするようになる。

 アセンション1よりもさらに多くのエリートマスが出現する。エリートを倒す旨味が大幅に上昇し、何も考えずともスノーボールできるようになる。1つのActにつき4体程度のエリートを倒せるため、レアカードのピック機会は十数回ある。他のクラスのカードが出現しない場合、レアカードの種類数を考えれば、ボーナス「収集家」を3~4種類分取れる見込みは十分ある。ピック機会を著しく失うため、ボーナス「パウパー」は狙わないほうがいいだろう。

致命傷

戦闘開始時、あなたとすべての敵は筋力3を得る。

  • 分裂や呼び出し行動などで新たに出現した敵にも付与される。

 筋力3はどのキャラでも有用なバフだが、敵も中々強化されてしまう。ブロックで相手の攻撃を防ぎきろうと思うといつも以上にスケーリングする必要がある。思い切ってブロックを捨てて速攻に特化するのも一つの手かもしれない。

 普段からアセンションに親しんでいれば、この程度の強化量は大したことない…と思いきや、多段攻撃する敵はかなりエグい強さになる。代表例はやはりビャードだろう。1ターン目から4x5を複数匹でぶち込んでくる化け物である。Act 2で出落ちしないためにもビャード対策はしっかり打ち立てること。

 ガーディアンやヘクサゴーストは攻撃力もさることながら速攻を許さない程度のHPを持っており、どうやってもノーダメージ撃破が厳しい場合もある。ヘクサゴーストはノーダメージ撃破のためにわざとHPを大幅に削ることもあるが、この特殊効果がある時にやるとそのまま殺されてしまう可能性がある。

ミダス

敵が落とすゴールドが2倍になるが、休憩場所でカードのアップグレードができなくなる。

  • ゴールドを貰えるイベントに影響はない。

 1つのActでもらえるゴールドはおよそ300程度であり、これが大体2倍になるのは強いと言わざるを得ない。とくにルートを意識しなくても次のActで豪遊できるはず。

 スコアアタックにおいては、程よくショップに寄ってレリックを買いまくってボーナス「ピカピカ大好き」を狙うのが良い。どのレリックも買えるように750ゴールド持っておくのが理想的(デイリークライムにおいて、レリックの金額は基礎値で固定される)。

 アップグレードできないデメリットを忘れてUG前提で運用するカードを取らないようにしたい。この特殊効果下において融合ハンマーはデメリットなしのエナジーレリックだし、神格化の優位性はさらに高まる。

夜の恐怖

休憩場所での回復量が100%になるが、最大HP5を失うようになる。

  • 最大HPが5以下で休憩した場合、最大HPは1となる。

 道中で失敗して死にそうになっても、休憩1回で復活できるようになる。アセンション20であればクリア率が上昇したかもしれないが、スコアアタックにおいて最大HPというスコアボーナスの源を失うのは避けたいところ。というかよほど弱い特殊効果・シードでもなければ休憩せざるを得ない状況になることは稀であり、特殊効果としては空気なのが実情。

 融合ハンマーを取っており、安らぎのパイプといった休憩場所でのアクションを増やすレリックを持っていない場合は強制的に最大HPを失うことになってしまう。あとは圧縮戦法を取っているとデッキが全UGされることも珍しくないため、最大HPを失わざるを得ない状況になることも。

ターミナル

新しい部屋に入るたび、最大HP1を失う。戦闘開始時、プレートアーマー5を得る。

  • 最大HPが1しかない場合、最大HPを失うことはない。

 プレートアーマーはノーダメージボーナスを狙うのにとても有用(とくに序盤)。ただし、代償として最大HP系のボーナスは絶望的になる。一応捕食しまくれば抗えなくもないが、大抵は徒労に終わる。

 最大HPが増えてなければ、Act 3のボスに挑む頃には最大HPが20~30程度まで下がってしまう。幻姿をもらっていると最大HPが1になってしまうこともある。大きい一撃をもらったり、後悔といったHPを失う呪いによってあっさり事故死しないように注意。

確定的未来

マップが一本道になる。

  • 「空飛ぶ靴」が出現しなくなる。

 デイリークライムの場合、エリートが1体に固定されるのでスコアをかなり伸ばしづらいし、レリックも不足しがちになる。

 全員が同じルートを通ることになるため、選択肢がバラけることは少なくなる。よってカードドラフトや戦闘のうまさ、ショップの買い物がいつもよりスコアに反映される。

最後に

 Slay the Spire Advent Calendar 2021に参加していただいた方、記事を見てくださった方に厚く御礼申し上げます。皆様の協力なくしてこの企画の完走はなかったと思います。引き続き塔を登ってネオーの復讐を成就させましょう!