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【Slay the Spire】Glitchまとめ

 2022年1月13日早朝(日本時間)、Games Done QuickにてSpeedFrog氏によるSlay the Spireのスピードランが行われた。ありとあらゆるバグ技を駆使して40分足らずで4キャラクリアしてしまったのだから驚きという他ない。 しかし、操作が速すぎて何のバグを使っていたか分からなかった人も多いことだろう。今回はSlay the Spireの主なバグを簡潔に紹介していこうと思う。

部屋の二重選択(Node Buffering)

 さまざまなバグの元となる、スピードランを行う上でもっとも大切なバグ。  Actの最初のモンスター部屋とボス部屋以外の部屋をクリックすると、部屋をペンか何かで囲うアニメーションが入った後に各種イベントが発生する。このアニメーションが完了する前にマップ画面を閉じ、再度マップを開いて画面が遷移する前に別の部屋を選ぶことで横並びの2つの部屋に行くことができる。これを応用すると以下のことができるようになる。

  • 追加の宝箱や焚火部屋を入手する
  • ダブルボス(詳細は後述)
  • 戦闘やイベントをキャンセルして不都合な事象(呪いの獲得や致命的な敵など)をスキップする
  • 瓶詰・ドリーの鏡バグの始動
  • 死亡回避(血のガラス瓶などを活用する)
  • ゲームを破棄して経験値を複製する

 素早く入力できれば三重にも選択できるが、自分は成功したことがない。

部屋複製バグ

 二重選択の発展形。高速モードだと難易度が非常に高いので、高速モードを解除して発動する。部屋を選択して暗転する直前に再びその部屋を選択すれば、次にマップ画面を開いた時、もう一度その部屋に入る。追加の宝箱や休憩を行うのはもちろん、面倒な敵をスキップしたり(タイトル画面に戻る必要はあるが)、敵の行動をスキップするのにも使える。分岐が2つあると右の部屋、3つあると中央の部屋しか選択できない。

スクリーンレイヤー除去

 設定画面からゲームを破棄を選択→ESCボタンを2回押すやつ。これを使ってパンドラの箱でストライク防御を消したり、呼びよせる鐘で呪いを拒否するのは古くから知られている。これ以外にはイベントの選択をスキップするのにも使われたりする(カードの選択肢が出るやつだけ?焚火の精霊は失敗するらしい)。

カードスキップ

 二重選択を利用する以外にも、コントローラーで素早く次の部屋に行ったり、高速モードを解除して素早くマウスで次の部屋を選択する(自分は成功させたことがない)ことで、呪いや変化させたカードなどの獲得をスキップできる。少々特殊な手順を踏むものの、アストロラーベは3枚削除になるし、吸血鬼が実質ストライクをすべて削除するイベントに化けるので、スピードランに興味があるならぜひとも習得しておきたい。

ダブルボス

 A20のダブルボスではなく、単にボスと複数回再戦するバグ。ボスレリックを追加で獲得するのに使われる。二重選択を使ってボス前の焚火部屋を2つ以上選択し、次の焚火部屋へ移動する前にボスとの戦闘を始める。ボスの部屋はアニメーションがないので即座に戦闘が始まる。ボスを倒してボスレリックを貰った後、マップ画面を開こうとするとバグで選択していた焚火部屋に戻る。その後、再びボスの部屋をクリックすれば良い。次のActに突入すると戻れなくなるので注意。

 1回目の戦闘で呼びよせる鐘か小さな家のいずれかを獲得して2回目の戦闘をスキップするバグが存在する。この場合ボスの報酬を受け取れないが、時間のかかる戦闘をスキップして時間短縮できるのはあまりにも大きい。空っぽの檻はボスの戦闘こそスキップできないものの、Act 3の戦闘をスキップできるらしい。

マップスクロールスキップ

 次のActに入った時、通常はボスの部屋から一番下の部屋までスクロールされる。しかし、特定のボスレリック(獲得・削除・変化系)を選び、最速(ボタン連打)で次の部屋に行き、ボスレリックの効果を解決してマップを開くといきなりマップの一番下が表示される。単なる時間短縮の他、パンドラでストライク防御をすべて削除したり(スクリーンレイヤー除去より早い!)、アストロラーベで好きなカードを3枚削除するバグなどの発動に必要となる。

煙玉バグ

 タイミング良く煙玉を使用して敵を倒すと、煙玉のアニメーションが終わる前に報酬画面(何もない)が表示される。ただちにマップ画面に切り替えて次の部屋に行くと、アニメーションが再開される。アニメーション終了時、報酬画面が表示され、その戦闘を終了する。主にボスの戦闘をスキップするのに使われるが、焚火部屋は休憩を選ぶ必要がある。

瓶詰バグ

 各種瓶詰を獲得する前にバグを利用してあらかじめ部屋を選択していれば、詰めるカードを選択する前にマップ画面を開くことで何も詰めない状態で次の部屋に進める。その後、記憶リキッドなどを使用してカードを選ぶと、そのカードを瓶詰した上でその戦闘が終了して次の部屋へ行ける。Act 1~2ボスとの戦闘で発動するとソフトロックがかかるらしい。

 ドリーの鏡でも同じようなことができる(その場合は選択したカードが複製される)。

A20ダブルボススキップ

 ボス前の焚火部屋を二重選択して、1回ボスの戦闘を開始した後すぐにマップ画面を開いて焚火部屋に戻ると、なぜかAct 3ボスの戦闘を1回こなした扱いになり、2回目の戦闘を終わらせるだけでクリアとなる。A20のスピードランをやる時は必須に近い。

Act 3の再抽選

 ボスレリックの選択後にタイミング良く次のActへ進むと、矢印マークが裏に残るので、これを押すとマップがもう一度生成される。パンドラや鐘などの別の画面を呼び出すレリックだと別の手順が必要になる。多重選択バグを応用すると無限に抽選できるようになるらしい。

 不都合なマップだった場合に変更する用途の他、なぜか再抽選した状態でゲームを破棄するとAct 3をクリアした扱いになるようで、全実績解除RTAに利用されたりもする。

賭博師の醸造酒バグ

 賭博師の醸造酒やエリクサーなどといった手札を選択する効果のあるものを使ってカードを選択し、確定ボタンを押す前にゲームを中断すると、次にカードを捨てる時(ターン終了時に手札を捨てる処理も含む)、ゲームを中断する前に選択したカードが捨て札に追加される。二重選択バグを絡めると次の戦闘にそのカードを持ち越せる。

行動予定スキップ

 部屋に入って戦闘を開始した瞬間マップ画面に切り替え、そこでカードを選択して獲得するポーション(アタックポーションなど)を使用する。その後、カードを選ばずに敵の行動を見る。レリックの発動を確認後、ポーションの効果を解決すると敵の行動をスキップしてしまう。オートマトンのオーブ召喚など面倒な行動をスキップできる。その後の挙動は敵によって異なる。敵のHPが見えなくなる点に注意。

スレイバーの首輪バグ

 エリートやボスの部屋に行った後、二重選択であらかじめ選択した部屋に移動して、エリートやボスではない戦闘を開始するとエナジーの増加を維持できる。中断して再開すれば増えたエナジーを維持できる。

哀歌の維持

 敵に出会った後、レリックの効果が適用される前に二重選択や部屋複製で別の部屋へ移動できれば、哀歌を消費せずに済む。反射神経が求められる。

エナジーバグ

 エナジー供給カードを使用して、効果が適用される前にXコストのカードを使用すると、増加分が適用されない。使用後エナジーは0になるので、普通に損。普段のプレイでも起こり得るので気をつけよう。